2016年11月26日

取材の旅

今年の秋も昨年に続き電力ビル1階のアクアホールで「ふれあいコンサート」がありました。子ども達からお年寄りまで幅広い年代の方々にお越し頂いた朗読と音楽のコンサート。


今年は杉みき子さんの『小さな町の風景』を選びました。
「坂のある風景」「塔のある風景」「橋のある風景」「海のある風景」など8章に分かれ、それぞれに小品がおさめられています。全部で45編の物語集です。
今回は「商店のある風景」から3編を読みました。

どれも人の優しさ、思いやりを感じさせるもので、私たちが失いたくない温かな心が描かれています。



この朗読会を前に、作品の舞台になっている新潟県高田を訪れました。
ここは杉さんのふるさとでもあります。
当日は台風の影響で外に出ている人が少なかったせいもあるのですが、降り立った印象はまさにタイトルの通り小さな町、そして静かな町でした。


雪国ならではのタテにライトが並んだ信号や、歩道に屋根がついている雁木通りなどを、ゆっくり見ながら歩いていると、物語の主人公の少年や少女になったような気持ちになってきます。
お話に出てくる時計屋さん、帽子屋さん、くだもの屋さんはこんなガラス戸の入り口の店構えかな?などと想像しながら散策しました。

短い滞在ではありましたが、出会った土地の方々は皆さん親切で優しく、お米や海の幸の美味しさにも感激し、荒天を忘れてしまうほどでした。



ところで、朗読会の前にはいつも録音し読みの確認をしていますが、日を追って聞き返してみると、本番までの変化がよくわかり、それと共に自分の心の動きもわかるので、まるで声の日記のようで面白く感じられます。

高田から戻った日、早速あの町の様子を思い浮かべながら読んでみると、実際に町の空気を感じてきたせいか、その雰囲気が言葉の質感にだいぶ影響を与えていたようで、自分のことととは言え興味深く感じられました。



今は何でもネットで簡単に調べられ、とても便利な世の中になっています。その便利さを有難く受け入れつつも、足を運んで得たものはやはり確実なものがあり、それが作品に向き合う時の心のあり方にも影響を及ぼします。
出来る限り誠実な姿勢で物事に臨みたいと感じた取材の旅でした。












posted by ヒロリン at 09:46| Comment(2) | 朗読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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